羽生善治さんは将棋界の最も有名な棋士と言われていますが、過去のタイトル数から見ても圧倒的強さを誇っているように感じます。
しかし、自分は羽生さんの実際の対局を全て詳しく見ていないので、臆測に過ぎないのですが、羽生さんは他の棋士が手も足もでない比較にならない次元で勝っているのですか?
野球で言えばイチローのような感じだと思いますが、
昔の対局を動画で見て、素人目から見ても、局面、局面で考えている相手に対し、その局面自体、羽生さんが作り出しているようにも見えます。
あと、将棋は20年前と比べ進化していますか?例えば20年前の棋士では今の棋士のほとんどに勝てないのでしょうか?
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質問が前半と後半にわかれていますが、
>羽生さんは他の棋士が手も足もでない比較にならない次元で勝っているのですか?
数字から客観的に判断すると、羽生名人の通算勝率は 1128勝431敗 0.723です。
ある程度の対局数をこなしている人で通算勝率が7割を超えているのは羽生名人一人ですから突出しているのは間違いありませんが「手も足もでない」というのは言いすぎでしょう。特に最近では渡辺竜王には大変分が悪いです。
>例えば20年前の棋士では今の棋士のほとんどに勝てないのでしょうか?
序盤戦術は間違いなく進歩しています。当時形勢不明とされた局面でも今は研究が尽くされ、結論が出ている、という例はたくさんあると思います。ただ、将棋は研究で全てが解明されてしまうほど底の浅いものではありません(少なくとも現時点では)。
50歳を超える高橋九段は今もA級で頑張っています。研究にどっぷりはまってしまったり、ということがなければ十分勝負になるでしょう。
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最近では渡辺さんや久保さんなど、羽生さんに匹敵するような活躍をされている棋士もいますが、羽生さんが将棋界の第一人者であることは間違いないでしょう。
しかし、一局一局の将棋に関しては相手が「手も足も出ない」状態で負かされる、ということはほとんどないはずです。どの将棋でも、相手にも勝つチャンスはいくつかあったはずだが、最終的には羽生さんが勝っている、というパターンがほとんどだと思います。まあ、そのほんのわずかな差が実力の差、ということなのでしょうが・・・
後段の質問については、「将棋そのものが進化しているか」となると何とも言えません。序盤戦術などについては、ここ数年は画期的な新戦法が出たり、これまでの概念では考えられなかったような指し方が現れて「幅が広がっている」ということは確かですが、それを「進化」と言えるのかどうか・・・。
また、このことを考えるときは加藤一二三九段がよく例に出されます。加藤九段は、今でこそ順位戦のクラスなどもやや落ち込んでいますが、A級在位通算36期という大記録を打ち立てています。A級バリバリの当時でも若手の棋士たちは加藤さんの戦術については「時代遅れだ」とよく言っていたものですが、それでも自分より一回り、二回り下の世代の棋士を相手にA級の座を長年守り続けたのです。強い人は時代に関わらず強い、ということではないでしょうか。
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