2012年3月23日金曜日

タイトル80期で並んだこのお二人は、率直にどちらがより凄いと思いますか?? 時...

タイトル80期で並んだこのお二人は、率直にどちらがより凄いと思いますか??



時代背景も違う為、一概には決められないですかね??



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まあ、こういう率直な疑問を持たれる方も多いとは思うのですが、私個人としては「安易に比べるものではない」と考えています。羽生さん自身もそういう評価は望んでいないのではないでしょうか。

どちらも将棋界の一時代を築いている偉大な棋士であることには違いないのですから。



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大山名人の時代は、強い棋士があまりいませんでした。20代のころは木村14世名人、塚田実力制第2代名人くらい。30代になって対抗したのは升田実力制第4代名人くらい。40代になっても若手の二上達也、加藤一二三らが伸び悩み、大山名人に対抗するにはほど遠かった。衰えてくる40代後半になってやっと中原16世名人が出てきました。50代からは、米長永世棋聖にも負けるようになりましたが、すでに大山15世名人の全盛期はとうに終わっているので、他の棋士が強いというわけでもありません。



そして、大山15世名人は、いわば、将棋の技術進歩をあえて止める-という戦略をとっていたと思います。わざと不利感がある序盤戦略を志向し、わざと勝ちが遅い中終盤戦略を志向し、攻めるより受けるという難度の高い指し方をとることで、他の棋士の参考にはならない、技術進歩には結びつかない将棋を指していたと思います。将棋そのものの強さというより、心理的な作戦、いわゆる番外戦術も駆使して、新聞担当者や旅館関係者との人間関係を築き対局場の雰囲気を支配し、常にホームゲームで戦っているかのようでした。



一方、羽生永世6冠の場合、強い棋士がたくさんいる時代のなかで戦っています。谷川浩司、佐藤康光、森内俊之の永世タイトル保持者を筆頭に、丸山、郷田、藤井など同世代の強豪、やや下の久保、深浦、(一瞬)三浦など、これだけ強い棋士がそろっている時代は過去にないと思います。



そうしたなかで、将棋技術の進歩に貢献しているのが羽生永世6冠です。あらゆる将棋に精通し、手の内をかくすことなく正々堂々と相手の得意に飛び込んでいく横綱相撲。番外戦術などは用いることはなく、盤上の技術のぶつけあいでこれだけ勝ってきました。



芸として将棋を見た場合、大山はたしかにすごいです。人間同士の闘いに魅力もあります。しかし、競技として将棋を見た場合、羽生のほうがはるかにすごいと思います。その分、人間同士の闘いの興味がいくぶん薄れるのは仕方がないことでしょう。


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王貞治さんとイチロー選手のどちらが凄いですか?と、聞かれても答えられないのと同じじゃないでしょうか。どちらも凄すぎて優劣などつけられません。


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「どっちも凄い」じゃダメなんですか!?

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